■ WOWAUTOのJT-S8082について
・2011/06/13 USBメモリ周りに関して加筆、ビットレートコントロールの差が解るように画像を追加
・2011/05/19 初版
WOWAUTO車載用の1DINインダッシュモニタ付のDVDプレーヤJT-S8082についてのページです。
いわゆる中華デッキと呼ばれるものの1つですが、この機体に関して調べた事を書いておきます。
アンプレスのソースユニットとして、USBやSDカード経由のAVI動画再生以外に使わない方向で使ってますので
以下はもっと真面目な使い方をする人向けではない文章かもしれません。
ただし動画、特にAVIに関しては他の中華製プレーヤに関しても当てはまる部分が多いかもしれません。
carozzeriaのDEH-P01との組み合わせで使用中です。
「こういうもの」だと割り切って運用するのが寛容ですし、知ってから買うと精神的なダメージも激減されます。
安値を生かしてうまく付き合いましょう。
■ 外観の特徴
・画面が大きい
DIN幅に収まらない8インチ様は90度回転させて格納されていて、ON時にせりだした後に横回転して起きあがってきます。
こんな格納方法は国産じゃまずやらないでしょうし、実際その無茶っぷりがメカ好きには堪らないです。
機構動作時の頼りないモーター音を聞くたびにいつか壊れるだろうと不安に駆られますが…
・アンプレスデッキ
アンプは別体です、デッキ側にはRCAプリアウトしか付いてません。
これをソースユニットとして使う場合は別体アンプ使わない事で無駄な発熱源と無駄な電気食いを無くす事ができます。
アンプ無しの場合だと大体2A食うか食わないくらいの消費電力です。
・デザイン
中華デッキにしてはいくぶんマトモではないかと思われます(主観)
モニタを出した状態だと、フロントパネルの表示は一切見えなくなりますので車内の既存の景観にほとんどダメージを与えないと思います。
ただし、モニタオープン時にSDカードを差し替えるには少し慣れが必要かもしれません。
■ 取付にあたって
・奥行き
機構上、奥行きが結構あるユニットだと思われますのでもしかしたらスペースの少ない車だとはみだす可能性があります。
あとDINスペース部分だけ奥まっている車の場合、前にオフセットしないとモニタオープン時の横回転の際に角が当たる可能性が高いです。
うちの車(H9アベニールサリュー)だと、上段に付けた場合で30mm以上前にオフセットしないと当たります。
そのまま付かない場合はなんとかするスキルが必要です、なんとかしましょう(汗
・端子は自分で圧着
いわゆる中華プレーヤの類は、端子は自分で処理するのが普通なようです。
■ 知っておくべき不思議な挙動、性能の数々
買った時期によって細かい仕様がコロコロ変わるのが中華デッキなので下記はアテにならない可能性があります。
参考までに、自分のは2010/12購入です。
・レジュームはされます
確かにレジュームはされますが、動画の場合は一瞬だけメディア内部でのどこかの動画が再生される場合があります。
(必ず先頭のファイルとは限らない様子)
音も一瞬だけ出ます…
・モニタの開閉状態を記憶しない
エンジン切るとモニタは必ず格納されます、復帰後は格納されたままになって自動で出てはきません(↑の通り再生はそれでも行われてる)
弱そうな機構なのでいちいち自動で収納されない方が寿命延びそうなんですが…
・音量を記憶しない
なぜか12(うちのロットの場合は)に戻ります。
復帰後即爆音を防ぐありがたい機能、と割り切りましょう。
・トリックプレイを記憶しない
1曲やALLリピート等は復帰後OFFになります、必要なら毎回設定しましょう。
忘れると、あの超ダサいファイル選択画面が待ち受けてますがSDカードやUSBなら差し直しでとりあえず再生に戻れます。
・むしろ全てを忘れる場合がある
どうもOFF動作でモニタ格納中あたりにACCを切る(エンジンOFFとか)とごく希に起きるような…
今までに一回起きました。
・リモコンコードが被る可能性がある
carozzeria以外のメーカーも該当してるかもしれませんが
例えばうちのDEH-P01のリモコンで音量を上げると、こいつの音量が下がったりします(笑えない)
他にも動画のズームがかかったりするボタンがあったりとか、基本的に共存できないレベルで被ります。
メインデッキ側をなんとかするのはあんまりなので、こいつの赤外線受光部を黒ビニールテープでうまく塞いで
操作は全てタッチパネルで行うと良いかと思います、ただしやればわかりますがファイル選択が大泣きレベルの操作性になります。
・画面は強制インターレース(?)
強制インターレースもさることながら、画面の描画も同期を取ってないようで…
ノイズもそれなりに乗るのでコンポジ分配したモニタの方が画質がソフト(というより劣化)になってさらにノンインターレースなので
かえって綺麗に見える、なんていう状態に。
・イルミ
たぶんうちの個体だけかと思いますがイルミのみの点灯はしないようです、でもたまに一瞬光ったりします。
あからさまに壊れてそうな挙動ですが電源入れると光るので気にしないでおきます…
■ 動画やらMP3を再生可能なデバイスについて
おすすめはUSBメモリ経由です。
SDカードは品質の良いものを使わないと突然再生できなくなったり、気まぐれで再生がガタつく症状が出るようです(というか出て悩まされました)
・CD/DVDの光学系
未調査(たぶんいけるでしょう)
・USB
動画、MP3共にOK
8Gまでは確認しました。
USBメモリの認識に相性があります。相性に引っかかるとファイル一覧すら読み込もうとしません。
あと、ルートディレクトリにあまりファイルを置かない方が良いと思います。できれば何も置かない方向で。
・SDカード
動画、MP3共にOK
microSDHCで8Gまでは確認しました。
SDカードに相性があります。相性に引っかかると気まぐれで途中で再生ができなくなったりするカードもあるようです。
あと、ルートディレクトリにあまりファイルを置かない方が良いと思います。できれば何も置かない方向で。
・iPodの類
接続ケーブルが売ってます、フルコントロールできるようですが…
■ 再生可能な動画の種類
どの形式にも言えると思いますが、ビットレートがあまりに高いものはコマ飛びの原因になると思われます。
MP4もいける…らしいのですがAVC/H.264はだめなのは解りました。
映像がMPEG4ならいけるかもしれませんがそれならDivXと大差無いだろう的でそれ以上調べてません。
・AVI1.0
AVI2.0は再生不良を起こす可能性が大です、というより起きます。
そういう事で再生可能な最大のファイルサイズは恐らく1ファイルで2GBだと思います。
・MPEG1(拡張子mpg)
MPEG1は特に制限はないようです。
・MPEG2(拡張子mpg)
VOBも拡張子リネームで再生できますがDVDと同じとはいえ光学DVDは別な再生方法らしく
ファイルとして再生するとガタガタで見れたものではありません。
■ AVIについて
個人的にはここが一番重要です。
ビットレートをうまく調節した動画を作る事で安定した再生ができると思われます。
平均2000k、ピーク4000kbpsと言えば聞こえは良いものですがビットを節約できる部分があまり無い動画になるとそのシーンの破綻は必至です。
その「破綻」をさせてでもピークを守らせるという、あまり必要とされないような方法(笑)の手ほどきになります。
平均いくらで設定できて、その平均中でも特定のピークは絶対越えさせない、という設定ができるDivX系のCodecがあれば楽なんですが…
・コマ飛びしない最大ビットレート
ピーク4000kbpsが一つの目安っぽいようです、4000kbpsくらい以上が0.5秒程度持続するあたりからコマ飛びが始まるようです。
一回コマ飛びするとそのファイルを再生し終わるまで波及するのでレートコントロールはしっかり行う必要があります。
CBRでレートを振るなら3700kbpsあたり固定で構いませんがファイルサイズが膨大になるので通常は2パスで行います。
DivX6以降は平均レートでしかビットレートの指定ができないので使い物になりません(平均2000kbps指定で瞬間ピークは8000kbps越えてたとか普通にある)
DivXPro5でのみ、上限が決められるようですがこれも少し癖があるようで…
このように平均2000kbps、ピーク2000kbpsというよくわからない設定(笑)をする事でピークとしても3000kbps程度に収まります。
4000kbpsまでまだ余裕があるので、両方2500kbpsくらいでも良いかもしれません。
当然、レートがどうしても足りない部分はブロックノイズが出ます。
作ったAVIのビットレートの確認はBitrateViewerを使いましょう。
これでピークの確認ができます。
真空波動研等で出るビットレートは平均レートなので注意。
ちなみにXviDでも上限レートのコントロールができるっぽいのですが、いくら試してもだめでした。
設定次第なのかもしれませんが…
AVIでコマ落ち~というのは大抵この、見えない上限レートにひっかかってる場合が多いかと思います。
DivXPro5で平均2000kbps、上限2000kbpsの場合
DivXPro7で平均2000kbpsの場合
縦のスケールが違うので比較しづらいですが、歯止めが効かないDivX6以降は他シーンで余ったレートをある分つぎ込みます。
ただし、平均という意味でのレート調整にはほぼピッタリに合わせてくるのはさすがだと思いますが。
・フレームレートについて
~60fpsまでは確認しました。(Null挿入ではないちゃんとした60fps)
Null挿入120fpsものとかは調べてません。
Windows純正AVIスプリッタ(quartz.dll)と似たような挙動をするので
スプリッタの弱点を突くような動画、例えばビッグオーOPの60fps版を例に挙げるとやはり時計の回転でガタつきます。
これはビットレートによりません。
・動画の縦横サイズについて
DbDがいくらかは解りませんが、WVGA液晶とか言ってるので800x480…なんでしょうか。
ただし画素が増える程ビットレート配分が厳しくなるのは当然ですので
4:3であれば640x480、16:9なら640x360がおすすめです。
これで画面モード設定で16:9にしておくと、4:3動画時は両脇に黒帯がついて強制拡大とかはしなくなるようです。
初期設定は強制拡大になっているようなので注意。
・AVI1.0の作り方
VirtualDubModで映像は変更無しにして古い形式で出力を選ぶ事で、再エンコード無しでAVI1.0になります。
音声分離もできるので一端音声(MP3)を分離してMP3Gainで音圧整えてから、音声にCBR MP3で処理したMP3を選んでおいて再Muxすると音量も合わせられてスマートです。
・使える映像Codec
DivX、XviDのみだと思われます。
FourCCはDX50しか試してませんがDIVXでもXVIDでも恐らく問題無いかと。
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